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- 2025.05.19
ホームページ制作におけるマーケティングサイトとブランディングサイトの違い

《 目次 》
《 目次 》
1. マーケティングサイトとブランディングサイトの基本的な違いとは?
ホームページ制作を検討する際、多くの企業がまず直面するのが「どんな種類のサイトを作るべきか?」という問題です。その中でも特に混同されやすいのが、「マーケティングサイト」と「ブランディングサイト」。一見似ているように見えるこの2つのサイトは、実は目的も設計思想も大きく異なります。まずはこの章で、それぞれの基本的な違いを明確に理解しましょう。
目的の違いがすべての出発点
マーケティングサイトの主な目的は、「売上・問い合わせなどの成果を生み出すこと」にあります。つまり、訪問者を行動(問い合わせ、資料請求、商品購入など)へと導く設計が施されています。そのため、ページ構成、導線、コピーライティング、デザインすべてが「成果を生む」ことにフォーカスされています。
一方、ブランディングサイトの目的は「企業の世界観や価値観、信頼感を伝えること」です。例えば、「この企業に依頼すれば安心だ」「この会社の姿勢に共感できる」そんな印象を持ってもらうことがゴールになります。すぐに成果に結びつかないように見えても、長期的にはファンの獲得やブランド価値の向上につながり、最終的にはビジネス成果にもつながっていきます。
成果の定義が違う
この2つのサイトは、「何をもって成功とするか」という“成果の定義”も異なります。
- ・マーケティングサイトでは、「問い合わせ数」「資料請求件数」「コンバージョン率」など、数値で測定できる成果が重視されます。定量的なKPIに直結しやすいため、PDCAを回しやすいというメリットがあります。
・ブランディングサイトでは、「企業イメージの向上」「好感度の獲得」「信頼性の醸成」といった、やや抽象的で長期的な効果が重要視されます。数値に直結しづらいものの、ビジネスの土台として極めて重要な役割を果たします。
デザインや表現方法にも違いがある
サイトのデザインやコンテンツ表現にも、それぞれの目的が色濃く反映されます。
- ・マーケティングサイトでは、情報を簡潔に伝えることが優先され、ユーザーの行動を促すボタンや導線設計が綿密に組み込まれています。「何をすればいいか」がすぐ分かる構成が求められます。
・ブランディングサイトでは、ビジュアルやストーリー性が重視され、文章や写真、動画などを通じて企業の「らしさ」を表現します。場合によっては、あえて情報を絞り込み、余白や間を活かすデザインで世界観を演出することもあります。
どちらが良い・悪いではなく、目的によって選ぶもの
多くの企業が誤解しやすいのが、「どちらのサイトが優れているのか?」という視点です。しかし、この2つに優劣はありません。大切なのは、「自社の目的に合ったサイトはどちらか?」という判断軸を持つことです。
たとえば、新規リード獲得を急いでいるスタートアップなら、マーケティングサイトが適しているでしょう。一方で、長期的にブランドを育てたい老舗企業や、高価格帯のサービスを提供するBtoB企業であれば、ブランディングサイトの価値がより大きくなります。
2. 目的とゴールの違いから見るサイト設計のポイント
マーケティングサイトとブランディングサイトの違いは、単に「見た目」や「雰囲気」の問題ではありません。もっと根本的に、「何のためにサイトを作るのか」という目的やゴール設定の違いが、設計・構成・導線・コンテンツのすべてに影響を与えます。この章では、それぞれの目的の違いが、実際のホームページ設計にどう反映されるのかを具体的に解説します。
まずは目的の再確認:マーケティング vs ブランディング
- マーケティングサイトの目的:
・集客し、見込み顧客に行動してもらうこと(資料請求・問い合わせ・購入など)
・ユーザーの課題解決を手助けしながら、自社のサービスや商品の価値を訴求すること
・数値で効果が可視化できること(KPI達成、コンバージョン率改善 など) - ブランディングサイトの目的:
- ・自社の理念や強み、世界観をしっかりと伝えること
・ユーザーとの「共感」を生み出し、信頼やファンを獲得すること
・ブランドイメージや好感度の向上を図ること(定性的な評価が主) - この目的の違いが、サイト構成やコンテンツの作り方にどう影響するのかを見ていきましょう。
- ・自社の理念や強み、世界観をしっかりと伝えること
設計思想の違いが構成に現れる
マーケティングサイトは、訪問者の「行動を促す」ことが最大の目的なので、ファーストビューから問い合わせや購入まで、シームレスな導線設計が命です。ページ構成は論理的で直線的。例えば、以下のような流れが典型です。
- ・ヒーローセクション(メリットを端的に)
・特徴・サービス紹介
・利用事例・導入実績
・お客様の声・FAQ
・CTA(行動喚起ボタン)
これに対して、ブランディングサイトは「ストーリー性」や「余白」が大切。訪問者の感情に訴えかけるような流れを重視します。たとえば、
- ・ブランドメッセージ(企業の思いや理念)
・歴史やミッション・ビジョン
・プロダクトへのこだわり
・スタッフ紹介や制作裏話
・SNS連携やブログなど、日常に触れる要素
どちらの設計も正解ですが、ゴールが異なれば、当然、伝え方や情報の優先順位も変わるのです。
導線設計の考え方も異なる
マーケティングサイトでは、ユーザーが迷わず次のアクションへ進めるように、明確な導線が設けられます。CTA(Call to Action)ボタンの配置や色、スクロールの途中で何度もアクションを促す構成など、「次に何をすべきか」が一目でわかるようになっているのが理想です。
一方、ブランディングサイトでは、必ずしも「行動を強く促す」必要はありません。ユーザーが自然に世界観に浸れるように、あえて強い訴求を控えたり、ゆったりとしたレイアウトやスライダー演出を用いたりします。訪問者に「この会社、なんかいいな」と思わせる余白がポイントになります。
サイトのKPIの違いも考慮すべき
マーケティングサイトではKPIが明確で、例えば「月間100件の資料請求」「CVR5%以上」などの数値目標が設けられます。これにより、アクセス解析や改善施策もPDCAを回しやすいという特長があります。
一方、ブランディングサイトではKPIは定性的になることが多く、たとえば「SNSでのブランド言及数の増加」「展示会や営業活動での企業認知度向上」などがゴールになります。そのため、KPI設計においても柔軟な視点が求められます。
マーケティングとブランディング、それぞれの目的に応じた「設計思想」があり、それがコンテンツ、構成、導線のすべてに影響を与えます。自社の課題や目標に対して、どちらのアプローチが有効なのかをしっかりと見極めることが、ホームページ制作成功の鍵になります。
3. 実際のコンテンツやデザインの違いとは?
マーケティングサイトとブランディングサイトの違いは、目的や設計思想にとどまりません。それぞれのサイトは、実際の「コンテンツの中身」や「デザイン表現」にもはっきりとした違いが現れます。この章では、両者の具体的なコンテンツ構成や、デザインのアプローチを比較しながら、それぞれの特徴を掘り下げていきます。
コンテンツの設計思想の違い
【マーケティングサイトのコンテンツ】
マーケティングサイトのコンテンツは、「ターゲットの課題を解決し、アクションを促すこと」が中心です。そのため、情報は論理的かつ簡潔にまとめられています。
例えば:
- ・課題提起 → 解決策の提示 → 実績の紹介 → CTA(行動喚起)
- ・Q&Aや導入事例、比較表、料金プランなど、意思決定を後押しする情報
- ・コピーライティングは明確で、読んで数秒でメリットが伝わるように設計
キーワードを意識したSEO対策コンテンツや、検索流入を増やすためのブログ記事なども充実させるケースが多く、コンテンツは集客とコンバージョンの両面を支えています。
【ブランディングサイトのコンテンツ】
ブランディングサイトでは、「共感」や「ストーリー性」を重視したコンテンツが中心です。以下のようなコンテンツがよく見られます。
- ・企業理念や創業ストーリー、代表メッセージ
・ブランドヒストリーや商品開発の裏話
・スタッフ紹介や仕事に対する姿勢、文化的背景
・写真や映像を駆使した「空気感」の演出
情報量が多すぎるよりも、「語りかける」ようなトーンで、見る人の心にじわっと届くような表現が多く使われます。言葉で多くを語るより、雰囲気や価値観を伝える“情緒的コンテンツ”が多いのが特徴です。
デザインの方向性の違い
【マーケティングサイトのデザイン】
マーケティングサイトでは、デザインは「使いやすさ」と「成果重視」が前提になります。ユーザーが迷わず目的を達成できるよう、以下の点が重視されます。
- ・CTAボタンが目立つ場所に配置されている
・スマホでも操作しやすいレスポンシブ設計
・色使いやフォント、余白の使い方も「読みやすさ」が最優先
・デザインよりも“機能性”を優先する傾向
また、ファーストビューでの訴求力が非常に重要なため、ヒーローバナーには実績やキャッチコピー、ベネフィットがしっかり入れ込まれています。
【ブランディングサイトのデザイン】
一方、ブランディングサイトは「印象に残ること」が最優先です。訪問者に「この会社、なんか雰囲気いいな」と思わせることを目的にしているため、以下の特徴があります。
- ・写真や動画を多用し、視覚的に“世界観”を作る
・タイポグラフィや配色に独自性を持たせる
・余白を多く使い、ゆったりとしたリズムでコンテンツを見せる
・あえてCTAを目立たせすぎない、自然な導線設計
一見すると「情報が少ない」ように感じるかもしれませんが、それがかえって「ブランドの余裕」や「自信」に繋がって感じられることもあります。
コンテンツ更新頻度の違い
マーケティングサイトは基本的にアクセス増とSEO対策が重要なので、ブログ記事やお知らせなど、定期的なコンテンツ更新が求められます。一方、ブランディングサイトは完成された世界観を保つことが重視されるため、頻繁な更新は行わず、静的なページ構成になっていることも多いです。
このように、コンテンツの見せ方もデザインの方針も、両者ではまったくアプローチが異なります。目的が違えば、それにふさわしい「伝え方」も変わる。だからこそ、ホームページを作る前に「何を伝えたいのか」「誰に届けたいのか」を明確にすることが、とても重要なのです。
4. 自社に合ったサイトはどちら?選び方の判断軸
マーケティングサイトとブランディングサイト、それぞれの目的や設計思想、デザインやコンテンツの違いについて理解が深まってきたと思います。では実際、自社にとって最適なサイトはどちらなのでしょうか?ここでは、その判断をするための具体的な視点やチェックポイントを紹介し、迷わない選び方のヒントをお届けします。
まずは「サイトを作る理由」を明確にする
サイト制作において最初に問うべきことは、「なぜ、今ホームページを作ろうとしているのか?」という問いです。たとえば以下のように目的を整理すると、必要なサイトタイプが見えてきます。
- ・新規の顧客を増やしたい → マーケティングサイト向き
・企業イメージを刷新したい → ブランディングサイト向き
・商品やサービスの購入を促したい → マーケティングサイト向き
・採用活動を強化したい → ブランディングサイト向き
・認知拡大と同時に売上も狙いたい → ハイブリッド型も視野に
目的が複数にまたがる場合もあるかと思います。その場合は「主目的」と「副目的」を明確にしておくと、設計の優先順位が決まりやすくなります。
判断を助ける5つのチェックポイント
以下に、自社に合うサイトの方向性を見極めるためのチェックリストを用意しました。該当する項目が多い方を選ぶと、適切な判断の材料になります。
【マーケティングサイトに向いている企業】
- ・Web経由のリード獲得・問い合わせを増やしたい
・商品・サービスの特長を端的に伝えたい
・LPや広告運用など、Webマーケティングに力を入れている
・数字で効果を測りたい(CV率、PV数、直帰率など)
・短期的な成果を重視したい
【ブランディングサイトに向いている企業】
- ・自社の世界観や理念をしっかりと伝えたい
・顧客との関係性を長く深く築きたい
・採用やリクルートも強化したい
・差別化されたデザイン・印象で記憶に残したい
・ブランド価値や信頼感を大切にしたい
このチェックリストを見て、「どちらも当てはまる…」というケースも少なくありません。そういった場合は、次に紹介する“ハイブリッド型”という選択肢も考慮してみてください。
第三の選択肢:「ハイブリッド型サイト」という考え方
近年増えているのが、「マーケティング×ブランディング」の両方をバランスよく取り入れたハイブリッド型のサイトです。
トップページや会社紹介ページではブランドイメージをしっかり打ち出しつつ、サービス紹介や資料請求ページではコンバージョン重視の構成にすることで、両立が可能になります。
このタイプのサイトは特に以下のような企業に向いています。
- ・ブランドの信頼性を高めながら、Webからの問い合わせも増やしたい
・高価格帯・高付加価値の商品を扱っており、信頼感も成果も必要
・採用と営業、両方に使えるホームページを作りたい
ただし、ハイブリッド型は設計のバランス感覚が重要になるため、経験豊富なプロに依頼することで、その効果が最大限に発揮されます。
最後は「社内の視点」だけに頼らないことが大切
自社だけで判断を進めると、どうしても「内部の視点」や「思い込み」に偏ってしまうことがあります。とくに、制作経験が少ない企業にとっては、サイトタイプの選定は非常に難しい判断です。
だからこそ、第三者であるプロの制作会社に相談することが非常に有効です。プロは業界のトレンドや、他社の成功事例、ユーザー心理など、広い視点で最適なサイトタイプを提案してくれます。
「自社にとって最適なサイトの方向性」を見極めるためには、自分たちの目的を明確にし、それをもとにした冷静な判断が必要です。正しく設計されたサイトは、企業の成長を大きく後押ししてくれます。
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